第二十三章 FIELD

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流れが緩やかな小川の水面に映る顔...... そこに目が留まった。 「あら......あたし、いつからなこんなシワだらけの顔になっちゃったんだろう」 死を考え始めてからと言うもの、凡そ鏡などと言うものへの興味は失われていた。 思わず、そんな落胆の気持ちを呟く女性だった。 すると、 「シワだらけの顔で悪かったな!」 ビシャッ! 「いやぁー!」 気付けば顔は川の中。目の前でイワナが優雅に泳いでいる。 どうやら首根っこを上から捕まれ、もの凄い力で押し込められているようだ。 くっ、苦しい...... いっ、息が出来ない...... 『年若きインディアンの娘は、川遊びに夢中になり、戻る事を忘れてしまった』 2つあった人形は1つになった。
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