第二十三章 FIELD

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あなた! そう叫んだ美緒の視線の先には、初老の女性が。 えっ、何で私?! 顔を青ざめ、周りをキョロキョロしている。 「はい、どうぞ」 銃を手渡す。 「圭一さん。私が5つ数えるうちにこの人が引き金を引かなかったら、替わりに頭を撃ってやってね。余り時間が無いから」 「了解」 この時圭一は何となく美緒の考えが読めていた。 美緒さんは、この連中に本当の『死』の恐ろしさを教えようとしている。 きっとその銃には弾が入っていないのだろう。 未来の時もそうだったし...... 優しい人だ...... そんな美緒の優しさに対し、銃を手渡された初老の女性はと言うと...... 「ふざけないで!」 自分のこめかみに当てる筈の銃口は、何と美緒の顔に向けているでは無いか。 ハァ...... 美緒は1つ大きく溜め息をつくと、 「まさかあたしに引き金を引くつもり? あんた小学校で数学習ったでしょう。 6発の内、最初の2発に弾が入っている確率は30分の1。 仮によっぽど運が良くて、それを引き当てたとしても、結局弾は2発だけ。それに対し私達は3人で銃も3丁よ。 2人撃ち殺した所であなたは弾切れになって、残った私達の誰かに撃ち殺されるって寸法。 でなきゃ、折角奪い取った銃をみすみす渡す訳無いじゃない。 ちょっと考えれば解りそうなんだけどなあ......まあいいや。とにかく無駄な事は止めてとっとと頭撃ちなさい」
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