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間髪入れず、次のカウントダウンへと進む美緒。
一方、女性から銃を受け取った初老の男性は、躊躇する事無く、いきなりこめかみに銃口を向ける。
そして、
カチッ。
カウントの途中で引き金を引くとは。見上げた根性だ。
............
............
またしても結果は『ハズレ』
銃弾が男の頭を破裂させる事は無かった。
「まだ神は、私に生き続けろと申されるのか......
酷い仕打ちだ。是非もない......」
この男、本気で『死』を望んでいる。
美緒の荒治療? もあまり効果が無いようだ。時間を掛けて気持ちが変わる事を祈るばかりだ。
「あらまた『ハズレ』?......まあ......ここまでは『アタリ』の確率より『ハズレ』の確率の方が高かった訳だから、むしろ順当とも言えるわよね。
でも次は4分の2で5割よ。初当たりはあなたかも知れないわね。フッ、フッ、フッ......
それじゃあ始めるわよ。はい、5、4、3......」
美緒に『次はあなた』と指名を受けた若い女性は、前の男性とは正反対。生への未練タラタラだ。
「もうヤダ......」
苦り切った表情でそう呟くと、ゆっくりと銃口を口にくわえた。
圭一の銃口は、自分の顔に向けられている。もはや2分の1の確率に希望を託すしか無かった。
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