第二十三章 FIELD

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やがて美緒は立ち上がり、ゆっくりと4人の元へと歩み寄っていく。 そして温泉男から銃を奪い取ると、視線を4人の目の高さに合わせた。それは美緒がうんちくを語る時の、お決まりポーズと言えた。 おお、ここで美緒さんの感動スピーチ炸裂か?! 『私がお前達を守ってやる!』 きっとこの一言でイチコロだ。 かっこ良すぎるぜ美緒さん...... 一人腕を組み、満足気な顔で頷いている圭一だった。 やがてそんな圭一の期待を背に受けて、美緒がゆっくりと口を開く。 しかしその発言は圭一の予測に反し、誰もが耳を疑うような壮絶な内容だった。 「色々考えたんだが、やっぱお前達連れてくの止めた。 まさか4人共生き残る何て、夢にも思って無かったから...... こんなんだったら、もっと弾いっぱい入れとけば良かった」 そんな爆言を吐きながら、美緒は男から奪い取った銃を4人に向ける。 そして、 バンッ、バンッ! 引き金を引くと、弾は2発発射され4人の頭を掠めて行った。 「ひええ......!」 4人は芋虫のように転がり、揃って頭を抱えた。 なっ、なんと! しっかり弾入ってるじゃん! 弾が出なかったのは、運が良かっただけって事? ヤ、ヤバイ......美緒さんが暴走し始めた!
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