第二十三章 FIELD

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美緒、圭一、博士、そして今、生きて行く事を誓った4人...... 気付けば想定外の大所帯に膨れ上がっていた。そして無事『もも』を救出すれば更に1人増える。 それら全員を引き連れて事を成し遂げる為には、心のベクトルを一方向へ向ける必要があった。 そして今、心は確実に同じ方向へと向いている。それは次への行動に移るお膳立てが、全て整った事を示唆していた。 時刻は、ちょうど朝の7時。 要塞とも言える『マンタ洞窟』も、今、正にその活動を始めようとしていた。 朝日が高くなるにつれ、『タイムリミット』......そんな看板が、頭の中でどんどん大きくなっていく。 余韻に浸っている時間などは無かった。 「よしっ!」 美緒は一声気合いを入れると、順にゆっくりと皆の顔を見渡した。 そしてその目は博士の前で止まる。 「博士、この辺りはちょうど『マンタ洞窟』の真上だと思うんだけど、そこに流れてる川ってもしかして......」 美緒は、目の前を流れる小川に視線を向けながら、静かに問い掛けた。 美緒と圭一が『マンタ洞窟』へ侵入した時、『研究所』へ向かう途中、間違い無く川の流れる音が聞こえていた。 ここが1階なら『マンタ洞窟』は地下1階。美緒はここに来た時から、この川に目を付けていた。
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