第二十三章 FIELD

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今この場を持って、美緒の脳が作り出す『設計図』が一応の完成を見せた。 あとはそれを信じて行動に移すだけだ。 「すっ、凄いぞ美緒さん! でも......どうやって......牢屋まで行くんだ?」 圭一は歓喜の表情を浮かべた途端、顔が曇る。 「そんなの簡単よ」 そう語った美緒の目は、4人に向けられていた。 「まさか......」 「そのまさかです。ね、博士」 「一か八かですな。もうヤケクソだ。ハッ、ハッ、ハッ」 「......」 「......」 果たして、 『設計図』通りに、事は進んでいくのか? そして、 時間内にそれを成し遂げる事が出来るのか? その答えは神のみぞ知る事。現時点では神の僕たる人間が解り得る事では無い。 美緒は樹海の空を見上げた。 思いの外空気は澄んでいる。 それは、まるで雲霧が晴れた美緒の心が現れているかのようだった。 ももちゃん......もうちょっとの辛抱よ。 待っててね。 でもママが死んじゃったら......ももちゃんも死んじゃうと思う。 そうなったら...... ごめんね。 美緒が見上だ空...... それはエマとポールが同じ樹海で見上げている空と同じだった。
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