第二十四章 焼却炉

8/18
前へ
/1040ページ
次へ
やがて目の前にエレベーターが。 地下であるこのフロアーから、更に下のフロアーが存在するようだ。 『マンタ洞窟』は敷地面積が広いだけで無く、その高低においても、予測していた深さを遥かに超えている事を痛感せざるを得なかった。 こんな空間が樹海の下に存在していたなんて...... あらためてその事が驚きでも有り、またこれまで誰にも知られずに、隠し通され続けてきた事が意外でもあった。 とてつも無く巨大な力が、この『マンタ洞窟』に関与している事は、もはや疑う余地が無かった。 もしここに美緒や圭一が居たならば?...... きっと地団駄を踏んでいたに違いない。 やがてエレベーターの手前で、先頭を行く守護兵が足を止めた。 『牢屋』は更に深い地底の奥底にあるようだ。 『牢屋』に入れられるような人間は、当然の事ながら逃げられては困る人間と決まっている。 逃げられては困る訳だから、逃げにくい地中深くに幽閉すると言う、当たり前の法則に従って『牢屋』をそんな所に造ったに違いない。 全く厄介な所に造りやがって...... 『牢屋』へ通じる道が、このエレベーターオンリーだったらちょっと難儀かも...... 不安気な表情を浮かべる2人。 そして、そんな2人の表情を見て、更に不安となる他の2人だった。
/1040ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加