第二十四章 焼却炉

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時刻は朝の8時過ぎ。 タイムリミットまで7時間を切る中、美緒達は一体どこへ行ってしまったのだろうか...... 「ブヒー!」 バタバタバタ...... 「ブヒー、ブヒー煩いわね! どっか行きなさいよ!」 そう叫びながら、近くに転がっていた石をイノシンに投げつける若い女性。とうとう癇癪を起こしたようだ。 落ちていたダンボールにくるまり、ただブルブルと震えている。 「事が済んだら助けに来てくれるって、黒メガネのお姉さんが言っとったじゃないか。それまで大人しく待っていようや。若いの」 そう言い聞かせた初老の男も、衣服はダンボールのスーツ。 「あの若い青年は大丈夫かしら......あの3人と一緒に行っちゃったけど」 初老の女性は不安気な表情を浮かべている。皆と同じく服の替わりにダンボール。 「それにしても......あの機械は一体何じゃったのかのう? 得たいの知れない小さな部屋に入れられたかと思ったら、レーザー光線あちこちから当てられて、気付けばワシがもう一人おった」 「あたしもそれほんとにビックリした。あれって人間コピーってやつなのかしらね?」 若い女性はいつの間に素に戻っている。 「それで気付けばあの3人居なくなってるし......もう訳が解らないわよね」 初老の女性曰く。
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