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「警備体制に変更は無いわね」
突然話を変える龍貴。秀樹の解説などには興味が無いようだ。
「ああ......大丈夫だ。予定通り19時。警備に変更は無い。山ほど間者を潜り込ましてるから変われば直ぐに解る。あとはあんたらの出番だ。宜しく頼むぜ」
2人の話題が一気に変わったその時だった。
ガタガタッ!
ゴトゴト!
突如、大きな震動を伴う爆音が『マンタ洞窟』内に響き渡った。
テーブルの上に置かれたワイングラスがガタガタと揺れる。
「なんだ? ネズミが騒いでるようだな」
秀樹はワイングラスを手に取りながら、他人事の如く語る。
「ネズミかしら......すぐに駆除しないと始末が悪いわね」
龍貴は目を細めた。
「『富士国』に乾杯!」
秀樹はグラスを掲げる。
「『軍事大国日本』そして『新総理』に乾杯」
龍貴も秀樹にならいグラスを掲げた。
1月30日。
『トロイの結末』と名付けられたその日まではあと5日。
『富士国』そして『新党富士』は一体何を仕出かそうとしているのか......
それは想像を絶する一大イベントに他なら無かった。
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