第二十五章 絶望への道程

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おお、終わったか! なんだ、早かったな...... それまですっかりだらけムードだった守護兵の4人は、突然の御開帳に一瞬怯みを見せる。 そして8つの目は、自然と現れたその者に向けられた。 すると、 そこに立っていたのは、トランクス一丁の守護兵リーダー。 なぜ大の大人が号泣しているのかは解らない。涙と鼻水で顔はグシャグシャだ。 それと、全身アザだらけのように見えるは光の加減か? あちこち紫色に見えるのは気のせい? 多分違うような気がするのだが...... そしてそのすぐ後ろには、 なんと、 不適な笑いを浮かべた貧血女が、守護兵の頭に銃口を突きつけているでは無いか!  鬼の仮面を被っているのかと見紛う程の殺気がみなぎっていた。 「なっ、何だお前は?!」 4人の守護兵隊達は、それまでのだらけムードから一変、瞬時に『MAX CAUTION !』が頭の中で発令された。 反射的に4つの銃口が、美緒に向けられる。 そんな守護兵達の様子を見た美緒は、 「見ての通り、今こいつの命は、あたしの手中に有る。状況は理解出来るな。解ったらとっとと銃を捨てろ!」 そう啖呵を切りながら、美緒は銃口を守護兵の頭に、これでもかと言わんばかりに強く押し付けた。 言う事を聞かなければ、いつでも引き金を引くぞ!そんな強い意思の現れと言えよう。 痛たたた...... リーダー守護兵は、頭に突き刺さる痛みに耐えながら、薄れ行く記憶を辿った...... 『監視室』の中へ入るや否や、あっと言う間に銃を奪われ、気付けばどこで拾ったのかは知らないが、ロープで全身をグルグル巻きにされていたような...... 後の事は何だかよく覚えていないが、やたらと蹴られていた気がする。 今、股間に全く感覚が無いのは、きっとその影響なのだろう。 とにかく楽しそうに、ゲラゲラ笑いながら蹴ってやがった。
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