第二十五章 絶望への道程

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時刻はすでに10時を回っている。 急がねば! 美緒は顔を上げた。 そして、1つ、2つ、3つ...... 道に面して左右に並列された牢屋の中を、隈無く調べていく。 1号室 自分等が居た牢屋だ。 2号室 無人 3号室 無人 4号室 白骨死体有り 5号室 無人 6号室 未使用 扉破損 7号室 無人 8号室 白骨死体有り 9号室 無人 そしてカーブを曲がり切った最後の牢屋...... 10号室 無人 これが全てだ。 期待に反し、ももはおろか、生ある人間の姿はどこにも見当たら無かった。 この結果は、ももがここに居ると信じて止まなかった二人にとって、実に残酷な現実だったと言えよう。 「な、なによ。居ないじゃない!」 「おい若造、どう言う事なんだ?! 居ねえじゃねえか!」 二人は動揺を隠せない。正に顔面蒼白だ。美緒の震える手からは、それまで握っていた銃が床へと転げ落ちた。 ガシャ、カタカタカタ...... ショックを隠し切れない。
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