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「今朝方までは間違いなく居たんだ! おかっぱ頭の目がクリクリした5歳位の女の子だろう。
俺が居た牢屋の前を通って、奥の方へ連れてかれてたんだ。この先は行き止まりだ。間違い無い!
それから俺は『大作』って名前だ。『若造』は止めてくれ。父親から散々そう呼ばれて、虐待を受けて来たんだ。思い出したくも無い......」
大作は肩を震わせて必死に訴え掛ける。家庭内で、どのような扱いを受けていたかは解らないが、きっとトラウマになっているのだろう。
「娘さんって......もしかして桜田桃って名前?」
突然博士が会話に割って入った。
そう語った博士の目は、10号室と書かれた牢屋の脇にぶら下げられた札に向けられている。
「「まさか?!」」
美緒と圭一の二人は、カタカタと揺れるその札を直視した。
『桜田桃♀6歳』
それにはそのように書かれていた。
「「やっぱここに!」」
「だからそう言ってんだろ!」
①牢屋に掲げられた『桜田桃』の名札
②今朝方までここに居たと言う大作の証言
③今日の17時にももが殺されると言う博士の証言
①+②+③=
その答えは、
『今朝方まで、この牢屋に閉じ込められていたももは、今日17時に行われる処刑の為、別の場所に移動させられた』
と言う事になる。
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