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そんな押し問答をやり合っている最中の事だった。
バタバタバタ!
「居たぞ。 監視室だ!」
守護兵の報告を受けた兵士が、束をなして押し寄せて来る。
そろそろ来る頃かな......
などと丁度思っていたところだ。
「博士、大作! 奴らを足止めさせて!」
「了解!」
バンッ、バンッ!
バンッ、バンッ!
素人が撃つ弾など、そうそう当たるものでは無い。元より、兵隊を撃ち殺して欲しいなどとは思っていなかった。
ちょっとの間、侵入を防げればそれで十分の事。そう言った意味では、立派な働きと言えよう。
兵士達は突然の応戦に怯み、完全に浮き足立っている。
こうなってしまうと、外に何が居ようが、もはや選択の余地は無かった。
「圭一さん時間が無い。リュックからあれ出して!
」
「あれって?」
「あれよあれ。火を点けてドンッてやつ!」
「もしかして......ダイナマイト?! こっ、この狭い部屋で......ドカンするってこと?」
「圭一さんに顔殴られたって大丈夫なんだから、ダイナマイトくらい平気よ。
さぁ、そこの床の割れ目に挟んで。早くしないと奴らがなだれ込んで来ちゃう!」
ドドドドドッ!
ドドドドドッ!
やがて銃弾の嵐が、頭を掠め始めてきた。
もはや躊躇している場合では無かった。
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