第二十五章 絶望への道程

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※  ※  ※ 「いやぁ、やっと痺れが取れてきた。死ぬかと思ったぜ。いきなりビリビリは無いよな」 「でもポールさん......一人で行っちゃったけど大丈夫なのか? あのお姉さん達、めちゃめちゃ強そうだったぞ......」 昨晩の惨劇が、まるで嘘のような静けさに包まれる『樹海温泉 深緑荘』 2階の大部屋の窓から差し込む朝日は、未来、健介の顔を明るく照らし出していた。 山海の珍味を腹一杯に平らげたばかりの2人は、見るからにリラックスムード。朝食後の優雅な一時を満喫している様子だ。 2人して浴衣がはだけ、トランクスが丸見え。そんな心身共にだらけ切った両名にマスターは苦言を呈する。 「お前達、もう少しシャキッとしたらどうだ。麗子さんに見られたらまたどやされるぞ。ほらパンツ隠せって」 マスターは苦り切った表情だ。男の目で見ても余り気持ちいいものでは無い。 「そう言えば麗子さん. .....朝食下りて来ませんでしたね」 世間話程度に疑問譜を投げる未来。どうでもいいような話ではあったが、多分トランクスから話題を変えたかったのだろう。 「多分まだ寝てるんじゃないか? 放っておけ」 来たら来たで、部屋が狭いとか、トイレが臭いとか、一日中文句ばかり言ってる輩だ。寝ててくれるのであればそれに越した事は無い。
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