第二十五章 絶望への道程

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「......」 「......」 「......」 エマが先陣を切り...... 美緒、圭一が続き...... 昨日、ポールが後を追い...... そしてアマゾネスも去って行った...... マスター、未来、健介の3人は何となく、 置いていかれたと言うのか?...... 取り残されたと言うのか?...... 戦線離脱したと言うのか?...... 上手くは言えないが、素人なりに物足りなさを感じていた。 よもすると、 『またアマゾネス襲って来ないかな?』などと、身の程知らずの期待を持ったりもしている。 「はぁ~ぁ」 特にやる事も無く、朝っぱらからアクビの連打をやらかす若者の2人だった。 自然と会話が無くなると、3人の聴覚を支配するものは、自ずとテレビの音声のみとなっていき、何となく3人の神経はそこに向けられ始めた。 画面に映っているのは、新人アナウンサーだろうか? 未だ女子大生オーラが抜け切れておらず、何だかキャピキャピしている。 『はい、今私は富士宮市内のホテル【グランドマウントホテル】に来ております。 今年オープンしたばかりのこのゴージャスなホテルは、もう皆さんご存知ですね。 1月30日に開かれる富士サミットのメイン会場となります。 映像にも映ってるとは思いますが、まだ5日前であると言うのに、物々しい警備体制がすでに敷かれています。 各国の首脳が一同に集まる世界的なイベントである訳ですから、日本の威信を掛けた警備となります。 詳しい警備体制につきましては、勿論、最重要機密とされておりますが、対テロ対策として、警察と自衛隊がコラボして警備に当たる形となっております』 (※注 現実では、サミットが1月に行われる事はありません。)
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