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「あれえ......居ないのかなぁ。麗子さん、開けますよ」
未来は麗子の個室のドアノブに手を掛けた。この温泉旅館唯一の洋室だ。
『まさか、私に布団で寝ろって言うわけ?』
そんな一言で、この広い洋室を麗子が一人で占拠している訳だ。旅館サイドからしてみれば、実に迷惑な話なのであろう。
そして、
カシャ。
鍵は掛かっていない。
「入りますよ」
未来は恐る恐る麗子の居城に侵入を開始した。カーテンは完全に閉じ切っており、おかげで妙に薄暗い。
裸で寝てたりしたらどうしよう......
また往復ピンタだな......
「麗子さん、麗子さん」
暗がりで再び声を掛ける未来。
「...... 」
やはり返事は無い。
これはいよいよ居ないぞ......
でも何か居る気配がするんだけどな......
何の気配だろう?
やがて未来は半信半疑のまま、照明のスイッチをONにした。
パチン。
すると、一気に視界が広がる。
そして未来の目に、真っ先に飛び込んで来たもの......
それは、
なんと!
............
............
............
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