第二十五章 絶望への道程

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「あれえ......居ないのかなぁ。麗子さん、開けますよ」 未来は麗子の個室のドアノブに手を掛けた。この温泉旅館唯一の洋室だ。 『まさか、私に布団で寝ろって言うわけ?』 そんな一言で、この広い洋室を麗子が一人で占拠している訳だ。旅館サイドからしてみれば、実に迷惑な話なのであろう。 そして、 カシャ。 鍵は掛かっていない。 「入りますよ」 未来は恐る恐る麗子の居城に侵入を開始した。カーテンは完全に閉じ切っており、おかげで妙に薄暗い。 裸で寝てたりしたらどうしよう...... また往復ピンタだな...... 「麗子さん、麗子さん」 暗がりで再び声を掛ける未来。 「...... 」 やはり返事は無い。 これはいよいよ居ないぞ...... でも何か居る気配がするんだけどな...... 何の気配だろう? やがて未来は半信半疑のまま、照明のスイッチをONにした。 パチン。 すると、一気に視界が広がる。 そして未来の目に、真っ先に飛び込んで来たもの...... それは、 なんと! ............ ............ ............
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