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ミャア~~
猫だった。
「なんだ......旅館の看板猫じゃん。あれ? 麗子さん、居ないぞ」
広い洋室の中は、もぬけの殻だった。よくよく見れば荷物も全て無くなっている。
これは少なくとも誘拐されたって感じじゃ無いな......
間違い無く昨晩までは居たはず......って事は、夜中に抜け出したって事?
未来は訳が解らない。
「おい未来。麗子さんは起きたのか?」
向かいの大部屋から大声で問い掛けるマスター。
「麗子さん、居ないよ」
「えっ、居ないって?!」
「しかも、荷物も全部無くなってる」
未来は有りのままをマスターに伝えた。
「死んだ事になってんだぞ。一体何考えてんだあの人は?!」
マスターの顔が俄に曇りを見せる。
未来は中居が作ったおにぎりをテーブルの上に置いたまま、そそくさと大部屋に戻って来た。
「麗子さんどこ行っちゃったんでしょうかね? 命狙われてんのに......」
「まぁ、居ると疲れるから居なくなって良かったんじゃ無いか」
健介は何やらほくそえんでいる。
私はあんた達なんかとは、身分が違うのよ!......そんなオーラを、あからさまに放つ麗子が、目障りで仕方無かったのであろう。
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