第二十五章 絶望への道程

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「......」 「......」 「......」 3人は皆口を閉ざし、言葉を失っていた。 その時、3人はまだ気付いていなかったが...... 誰も居なくなった洋室では...... ............ ............ ............ 看板猫が、 血を吐いて、 死んでいた。 亡骸のすぐ横には、看板猫が一口かじった握り飯が転がっている。 そして、 握り飯を作った中居は、二度とこの旅館に戻る事は無かった。  ※  ※  ※ ブルルルン...... 山道を抜け、河口湖インターを通過した一台のハイヤーは、東京へと向かって快調に加速を加えていた。 後部座席には、透き通るような白い肌をした年若き美女が一人。 澄ました顔でバッグからスマホを取り出す。 ピッ、ピッ、ピッ...... トゥルルルル...... トゥルルルル......  トゥルルルル...... カシャ。
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