第二十五章 絶望への道程

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3人は直ちに北へと進路を取った。 至る所で水が流れる洞窟内。湿度は驚く程に高い。流れ続ける汗に加え、高地を歩いているかの如く、洞窟内は酸素濃度が極めて薄い。 ハァ、ハァ、ハァ...... 荒くなる呼吸を抑え切れない。 こんな環境の中で、もし『あいつ』なる敵が現れたなら、苦戦を強いられる事は必至だ。 建物の中は、兵隊がうじゃうじゃ居るから、外に出れば大丈夫...... 早くもそんな神話が崩れ掛けている事を、痛感せざるを得なかった。 頭上を見上げれば、何やら黒いものが一面にモゴモゴ動いている。 これ全部コウモリなのか?!...... 幸いにも、まだ美緒さん気付いていないみたいだ。言わないでおいた方が良さそうだな...... 足場の悪い上り坂を気合いで登り切れは、今度は急激な下り坂。 岩場に手と尻をつきながら、慎重に降り進んで行く。一歩ステップを踏む度に、こぶし大の石がゴロゴロと転がり落ちて行った。 前だけを見て歩いていると、頭の上にいつ何が落ちて来るか解ったものでは無い。 都会の生活に慣れきった3人の身体は、人間の都合など、まるで考えられていないこの大自然の環境には、到底適応など出来る訳が無かった。 時を追う毎に、そして一歩前に進む毎に、容赦無く3人の体力、更には精神力を奪っていった。 そして追い討ちを掛けるかのように...... その者は現れた。 ゴソッ、ゴソッ...... ゴソッ、ゴソッ......
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