第二十五章 絶望への道程

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 ※  ※  ※ ドカーン! 「うわぁ!」 「何か爆発したぞ!」 牢屋の守護兵の連絡を受け、侵入者を抹殺すべく、この場所になだれ込んで来た無数の兵隊達は、突然の爆発に思わず肝を冷やす。 爆発の衝撃で照明は落ちて来るわ、物は吹き飛んで来るわのてんやわんや。前代未聞の大混乱を巻き起こしていた。 「監視室の中だ!」 やがて監視室の扉の隙間から漏れ出す煙を見定めた兵隊達は、我先へと監視室に駆け参じていく。 そして扉を開けた瞬間、 「おお、床が無い。 押すな! 落ちるって!」 先陣切って飛び込んだ兵隊は、勢いで地底湖に落下しそうになるも、辛うじて踏み止まり、ギリギリのところで難を逃れた。 やがてリーダー格の男が口を開く。 「あいつら、逃げ切れんと思って外に逃げたつもりのようだが......まぁ、いいだろう。放っておけ」 「追わなくていいんですか?! 秘密が外に漏れたらまずく無いっすか!」 中堅どころの兵士が異論を唱える。 すると、 「お前......知らないのか?」 「知らないって......」 「突然変異だよ」 「突然変異?」 「ここで生物兵器の生産が行われてるのは知ってるだろう。たまに突然変異が出来ちまうんだよ」
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