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※ ※ ※
「何か居るぞ。隠れろ!」
ただ事ならぬ物音をいち早く察知した圭一が、小声で皆に『CAUTION』を発令する。
ゴソッ、ゴソッ。
ゴソッ、ゴソッ。
音を立てぬよう、抜き足、差し足、忍び足。岩影へと素早く身を隠す圭一、美緒、大作の3人だった。
「なっ、何なんだ?」
恐れ戦く大作は、圭一の耳元で囁く。
「何だか解らんが、足音から察するにかなりでかそうだ。とにかく静かにしてろ。ここはやり過ごすのが得策だ」
ひそひそ声で返す圭一。岩壁に背中を当て神経を尖らせている。
「足音からすると、何か大きな動物っぽい気がするんだけど。例えば.......」
美緒がそこまで言い掛けた時だ。
ボコボコボコボコ......
突然、胸を連打する音が響き渡り始めた。
「まさか......」
「ゴリラ......とか?」
「しっ、黙って!」
足音が、3人の隠れる岩のすぐ手前で停止。距離にして1メートルも離れていない。
思わずライフルの引き金に力が入る3人だった。
「...... 」
「.......」
「.......」
ピンと張り詰めた空気が辺りを包み込む。水を打ったような静けさだ。3人は息を止め、呼吸音すら打ち消した。
ドクン、ドクン......
ドクン、ドクン......
ドクン、ドクン......
3人の鼓動音だけが、微かに響いて聞こえる。
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