第二十五章 絶望への道程

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大型のゴリラともなれば、1、2発程度の銃弾を喰らわせたところで、恐らく動きを止める事は出来ないだろう。逆上して暴れまくられたら手に負えない。 気付かないでくれ...... 3人はただ通り過ぎてくれるのを祈るばかりだった。 やがて、 ゴソッ、ゴソッ....... ゴソッ、ゴソッ....... 再び足音が聞こえ始める。 よし! 通り過ぎてくれるぞ...... 早くとっとと消えてくれ...... 3人の気持ちがそんなゴリラの行動に緩み掛けた正にその時だった。 「ふぇ、ふぇ、ふぇ...... ヘックション!畜生」 なんと! 有り得ない! 寄りによって...... こんな時に...... 大作が見事なくしゃみをやらかした! 3人のささやかな祈りを、神が突っ返した瞬間だった。 すると、 「グアアアアー!」 突如、奇妙な鳴き声が響き渡ったかと思えば、次の瞬間にはバッサ、バッサとけたたましい足音が近付いて来るでは無いか! 「ダメだ見付かった! 逃げろ!」 圭一の掛け声を合図に、3人は一気に岩影から飛び出して行く。 その時見えたゴリラの目は...... なんと...... 真っ赤だった。 「遺伝子操作か?!」 「最悪ね。しかもゴリラだって」
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