第二十五章 絶望への道程

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一体、誰が何の為に? 結果として、その者がその行為を行った事に寄り、侵入者である3人は、命を取り留める事となった。 3人の抹殺を何よりも願うマンタ洞窟サイドの人間が行ったとは当然考えられない。 また、そのような効果を知る人間で無ければ、出来得ない行為であって、そう考えると、その者は遺伝子操作の研究に直接関与していた人間と範囲は狭められる。 しかもその者は、見事遠方から一撃でゴリラの眉間に銃弾を撃ち込んだ。銃を日常から扱っていた人間で無ければ、成し得ない技だ。 マンタ洞窟側の人間では無く、 遺伝子操作に長けた知識を有し、 銃の扱いに慣れている人間。 そんな条件を満たした者など、圭一の頭には1人しか浮かんで来なかった。しかし、その者はすでに死んでいる。 まさかな...... 有り得ん。 疑惑の表情を浮かべながら、圭一と美緒の2人は、ゆっくりと銃声が聞こえた後方に振り返る。 すると...... 薄明かりの中、崖の上に人影が。 よくは見えないが、どうやらライフルを構えているようだ。 2人が自分の存在に気付いた事を確認すると、その者は1歩、2歩と前に歩き始めた。 やがてベールは開かれる。 「お前......生きてたのか」 「ビックリね。悪人程、しぶといって事かしら」
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