第二十五章 絶望への道程

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「まあまあまあ、まずは銃口を下ろせ。お前らを殺そうと思えば、俺はいつでも撃つ事が出来たんだぜ。だけど撃たなかっただろ。助けてやったんだぞ」 二人に銃口を向けられているにも関わらず、大地は全く怯む様子を見せない。一度は死んだ男だけあって、命に未練は無いのだろうか。いずれにせよ、度胸だけは目を見張るものがある。 圭一と美緒は互いに顔を見合わせた。 どうすっか?...... 取り敢えずは話を聞きましょう。 敵意は無さそうだし...... そんな意志の疎通があったのだろう。 二人は小さく頷くと、共に銃口を下に下ろした。 「それで一体どう言うつもりなんだ?」 当然の疑問を投げ掛ける圭一。 それに対し、大地は単刀直入に答えた。 「俺と行動を共にしろ。さすがに1人で何百もの兵隊と戦うのはちと分が悪い。恐いお姉ちゃん達も居るしな。お前ら女の子助けたいんだろ。お前らだけじゃ最北の焼却塔に辿り着くのは無理だぞ。フッ、フッ、フッ」 美緒は表情一つ変えず、尚も淡々と問い掛ける。 「よくそんな事知ってるわね。まぁ、それはいいとして......あんたの目的は何なの?」 1年前は死闘を繰り広げた敵同士。そのしこりはそう簡単に消えるものでは無い。 にも関わらず、この男は自分等を助けて、行動を共にしろなどほざいている。 二人はその意図が理解出来なかった。 少なくともこの男に『人助け』とか『親切』などと言う感情は、一切脳にインプットはされていないはずだ。
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