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「秋葉秀樹を滅ぼす為に、この『マンタ洞窟』を破壊しに来た。どうだ? お前らの目的とぴったりだろ。嬉しいか? ハッ、ハッ、ハッ」
この男は信用出来るのか?
どう考えたって......
出来る訳が無い。
では自分等だけで、ももを時間内に救出して、この『マンタ洞窟』から脱出出来るのか?
精神論は抜きにして、現実的にはかなり厳しいと言う事は口には出さずとも、誰もが思っていた事だ。
確かにこの男は信用出来ない。
しかし、この後も自分等の前に立ちはだかるであろうウェポンとの戦い方を間違いなく熟知している。
敵の敵は味方と言う言葉があるように、少なくともこの『マンタ洞窟』内においては、この男の言う通り、利害は一致している。
感情抜きにして考えれば、ここはこの秋葉大地と共闘するより他に道は無かった。
圭一は決心を固め、美緒の顔を見詰める。
すると美緒は無言で小さく頷く。
致し方無い......そんな諦めの表情だ。
「いいだろう。お前の思惑通り、我々はお前と行動を共にして、この『マンタ洞窟』を壊滅してやる。ただし条件がある。それは......」
「子供の救出だろ、簡単な事だ。付き合ってやるよ」
大地は圭一の言葉を遮り、いとも簡単に言って退けた。
「解ってるならいいわ。とっとと行きましょう」
美緒はすでに万能リュックを背負い、歩き始めていた。
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