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「貴様......初めから大作を囮に使うつもりだったな!」
「だから大作を先頭に歩かせてたのね。あんた......生きる価値無し......」
「ここを抜けるには、奴らの特性上、必ず誰か一人が餌になるしか無かった。四人で入ってったら四人とも食われてたぞ。
素人の奴を餌に選んだのは、実に合理的な発想だ。そんな事より早くここを通り抜けないと、また一人餌が必要になっちまうぞ。それでもいいのか?」
そう語った大地の顔は常に半笑い。
それがまた二人の怒りを助長する。
「くっそー、取り敢えずは通り抜けよう。話はその後だ」
タッ、タッ、タッ、
タッ、タッ、タッ、
タッ、タッ、タッ、
3人は未だ肉を食いちぎられている大地を尻目に、足早にその場を通り抜けていく。
グチャ、グチャ......
グチャ、グチャ......
大作......
すまんな......
美緒は怒りを圧し殺し、心の中で手を合わせた。
この肉食植物が遺伝子操作されたウェポンである事は、もはや疑う余地が無い。
一体、彼らはどこまで手を広げるつもりなのか?
彼らの研究は既に暴走化し、誰かがそれを止めなければ、必ずやいつか人類は滅びるであろう。
政府が未だ手を出せない以上、それを出来る者が居るとしたら、もはやエマ達4人以外には考えられなかった。
改めて身の竦む思いがする2人だった。
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