第二十六章 サバイバル

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※  ※  ※ 一方、自らが盾となり、珠(たまき)を2つの『アマゾネス』から守り通したエマはと言うと...... 珠を背負い、鬱蒼とした森の中をひた走りに走るエマだった。 一刻も早くこの樹海を抜け出して、珠さんを病院に運ばなければ...... ハァ、ハァ、ハァ...... 心臓は今にも爆発しそうだ。 布を圧し当てても、足の付け根を紐で縛っても、珠の足からは濁流の如く、血が流れ続けている。 針も糸も無いから止血も出来ない。 血液型が違うから輸血も出来ない。 珠の命は正に風前の灯火。 いつ魂が身体から飛び立ってもおかしくは無い状態だった。 すると、 「エ、エマさ......ん......」 背中から蚊の泣くような声が。 「珠さん。頑張れ! もうちょっとだからな!」 エマは、三途の川を渡り切ろうとしている珠を、必死に鼓舞した。 「降ろして......」 出ない声を無理矢理出しているのだろう。かすれ切った声が、今にも事切れそうな珠の身体を物語っていた。 エマは『降ろして』...... その一言で珠の全ての意を悟ったような気がした。 もう私は無理...... 死ぬ前にどうしても話しておきたいの...... きっとその後には、そんな言葉が続いていたのだろう。決して声にはなっていなかったが......
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