第二十六章 サバイバル

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「生物兵器! 自殺志願者への殺人教育! コピー人間の作成! だって?! そんな大それた事を......で、珠さんは公安に情報を流してるんだろ? 何で連中は動かないんた?」 エマは思わず身を乗り出した。 「エマさんも知っての通り、私の仕入れた情報は全て鳩を使って、公安の神谷局長の元に間違いなく届いているはず。にも関わらず、何の動きも起こさない。と言う事は......」 「公安の神谷局長が怪しいって事か?」 「私のアジトは、本来であれば絶対に見付かる筈がありません。にも関わらず、突然襲われました。多分ですが......神谷局長が私を用済みと判断したのでしょう。そう考えるのが一番自然です。うっ、うっ......」 珠は突然悶え始める。喋る事すら、もはや限界に来てるのだろう。 「珠さん、大丈夫か?!」 エマは珠の冷えきった身体を必死に抱き起こす。 「もはや誰も信じる事は出来ません。公安すらそんな状態ですから、警察も自衛隊も、それに政界すらも......」 政界! 新党富士! やはり最後は秋葉英樹か...... 珠は頭を垂れるエマを他所に、最期の力を振り絞り、再び口を開いた。 「エマさん! 北へ1キロも進めば、小さな小川が流れています。そこを下流に辿って行けば、『マンタ洞窟』に通じます。どうか、どうか......エマさんの力で『マンタ洞窟』を壊滅させて下さい! そうしないと......大変な事に......うっ、うっ、ああ......!」 そこまで言い切った珠は、突然痙攣を起こすと、そのまま呼吸を止めた。 全てを出し尽くしたのだろう。
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