第二十六章 サバイバル

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エマは珠の亡骸を木の葉で隠し、目印となる枝を目印に添えた。 全てが片付いたら...... 必ず家族の元に届けてあげるから。 少しの間だけここで我慢しててくれ...... エマはひざまずき、亡き珠にそう誓った。 ついさっきまで、共に語り合ってたのに...... 今はもう冷たくなっている。 人間の死とは、何でこんなにも呆気ないんだろう。 自分もいつかは死ぬ時が来るんだろうけど、こんな仕事やってる訳だから、多分最期は呆気ないんだろうな。まぁ......是非も無い事だ。 さぁ、頭を切り替えないと! 心の迷いは必ず命取りになる。 自分が珠さんの仇を討たずして、他に誰が討つ! 「よしっ、マンタ洞窟とやらに出発!」 エマはすくっと顔を上げた。 その視線は既に北へと向けられている。 昇り始めた太陽を右手に見ながら、エマは木々の間を疾風の如く潜り抜けて行った。 ダッ、ダッ、ダッ ダッ、ダッ、ダッ よくこんな体力が残っていたものだ...... 我ながら関心する。 多分...... 珠さんが私に力を与えてくれてるんだろうな...... 走るスピードに更なる加速を加えて行くエマ。 頭を掠めて飛ぶ鳥を追い抜く勢いだ。 弦が足に絡まろうが、目の前に大岩が現れようが、エマの足を止めるには至らなかった。
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