第二十六章 サバイバル

8/56
前へ
/1040ページ
次へ
「珠さん......お前にちょっと気があったみたいだぞ」 「イツカ......自分が死んだら、あの世デまた口説きマスよ」 こいつ...... いつからこんなに強くなったんだ? あたしなんか、まだ全然尾を引いてるぞ。 その強さを少し分けて欲しい位だ...... ダッ、ダッ、ダッ...... ダッ、ダッ、ダッ...... エマとポールは、まだ『マンタ洞窟』に圭一と美緒が居る事を知らない。 そして、圭一と美緒もまた、エマとポールが『マンタ洞窟』に向かっている事を知らない。 更に言うと、互いが生きているのか、死んでいるのかすら解らなかった。 すれ違い...... それは運命の悪戯としか言い様が無かった。 半信半疑の中、珠の道標に従い、川沿いを縦横無人にを突き進んでいく二人。 やがて二人の前に出現したのは、とてつもない難所だった。 「おっとエマサン、川が谷底に落ちちゃってマスよ。どうシマス?」 突然足を止め、呆然と立ち尽くすポール。 「珠さんは川に沿って突き進めと言ってた。止まるな。早く進め」 平然と答えるエマ。 何を迷ってるんだ? と言わんばかりだ。 「本気デスカ?! これ滝デスヨ。底の方クラクテ全然ミエナイし......どんだけ深いコトヤラ」 ポールは信じられ無い......そんな表情を浮かべている。
/1040ページ

最初のコメントを投稿しよう!

366人が本棚に入れています
本棚に追加