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「珠さん......お前にちょっと気があったみたいだぞ」
「イツカ......自分が死んだら、あの世デまた口説きマスよ」
こいつ......
いつからこんなに強くなったんだ?
あたしなんか、まだ全然尾を引いてるぞ。
その強さを少し分けて欲しい位だ......
ダッ、ダッ、ダッ......
ダッ、ダッ、ダッ......
エマとポールは、まだ『マンタ洞窟』に圭一と美緒が居る事を知らない。
そして、圭一と美緒もまた、エマとポールが『マンタ洞窟』に向かっている事を知らない。
更に言うと、互いが生きているのか、死んでいるのかすら解らなかった。
すれ違い......
それは運命の悪戯としか言い様が無かった。
半信半疑の中、珠の道標に従い、川沿いを縦横無人にを突き進んでいく二人。
やがて二人の前に出現したのは、とてつもない難所だった。
「おっとエマサン、川が谷底に落ちちゃってマスよ。どうシマス?」
突然足を止め、呆然と立ち尽くすポール。
「珠さんは川に沿って突き進めと言ってた。止まるな。早く進め」
平然と答えるエマ。
何を迷ってるんだ? と言わんばかりだ。
「本気デスカ?! これ滝デスヨ。底の方クラクテ全然ミエナイし......どんだけ深いコトヤラ」
ポールは信じられ無い......そんな表情を浮かべている。
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