第二十六章 サバイバル

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ザバザバザバザバ...... ザバザバザバザバ...... 滝が発っしている音から察するに、その高さは到底10メートル、20メートルの世界では無い。まるで奈落の底に突き落ちているような爆音だ。 「あっ、ポール! ちょっとここ見てくれ」 突然エマが谷底に顔を向けながら、ポールに呼び掛けた。 「何デスカ? エマサン」 「いいから、ちょっと下を覗き込んでみろ」 そう語ったエマの顔は、何やら薄気味悪い笑みを浮かべている。 何か嫌な予感が...... 背後にエマの影を気にしながら、ポールは恐る恐る谷底に顔を突き出す。 「エマさん......押さないで下サイヨ」 「誰が押すか。よく見てみろ......はい、1回」 「絶対押さないで下サイヨ」 「だから押さないって......はい、2回」 「押したら恨みマスよ」 「お前もしつこいな。はい3回、ほれっ先行け!」 パンッ! 「うわぁー!......」 谷底へとダイブするポール。大体、こんな所で引き返す訳が無い。飛び降りる事くらいポールも最初から解っていた事だ。
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