第二十六章 サバイバル

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どこだ? どこだ? どこだ?! ............ ............ んっ? なんだ? 何かの塊が水面にプカプカ浮いてるぞ...... 全然動いてない。 まさか...... まさか...... ポールなのか? 間違い無い。ポールだ! バシャバシャバシャ...... エマはその水面に浮かぶ塊がポールである事を確信すると、一気にその元へと泳ぎ進んで行った。 近付くにつれ、徐々にその様子が鮮明に映し出されてくる。 その身体はうつ伏せに浮いていた。そして微動だに動かない。 これはマズい! ポール、死ぬな! エマは動かぬその身体に腕を絡ませると、一気に陸へと華麗な泳ぎを披露した。 頑張れ 頑張れ...... ポールは未だ全く反応を示さない。 エマは祈るような気持ちで、必死に泳ぎ続けた。 3メートル 2メートル 1メートル そしてその身体は、遂に陸へと引き上げられた。 「おいポール。聞こえるか?!」 パンッ、パンッ、パンッ! エマは必死に肩を叩く。 しかし...... 応答は...... 無かった。
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