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そんな嬉しそうなエマの表情を、温かい眼差しで見詰めるポール。
エマさんもやっぱ女なんだな......
男である自分が、しっかりとエマさんを守らなければ!
エマに守られっ放しの男たるポールは、無謀にもそんな決意を固めるのであった。
「おやっ?」
すると、
緩み掛けていたエマの表情が突然引き締まる。
その時エマの視線は、地底湖の水面に浮かぶ無数のガラクタに向けられていた。
「何だあれは?」
見れば、
テーブル、机、マット、扉、椅子、事務棚......
事務所に置かれているようなあらゆる物品が、不自然にも、水面にプカプカ浮いているでは無いか。
すると今度はポールが、
「エマサン、上見てクダサイ!」
頭上に見える何かに、異変を捕らえたようだ。直ぐ様エマも視線を頭上に移す。
「なんと! 床に穴が開いてるじゃんか!」
見れば距離にして30メートル程度。
要塞から競り出した部屋の床に、ポッカリ穴が開いてるでは無いか。
それはこの離れた場所から見ても、その部屋の天井がはっきり見える程の大きな穴だった。
この穴の開き方は、明らかに爆破されたものだ......
恐らく床にダイナマイトの類いをセットして、破壊したに違い無い。まさか要塞の連中が、自ら行った訳では無かろう。
もしや......
お前達......
来てるのか?
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