第二十六章 サバイバル

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「解りマシタ、男ポール、死んでもエマサンが落ちて来たらツカマエマス!」 「そん時は頼んだそ」 ポールに話を合わせるエマ。 しかし、顔は半笑い。 単純な奴だな...... 誰が落ちるかってんだ...... まぁ、いいか。 それじゃあ、そろそろ行くとしましょう...... 「よっしゃあ!」 エマは一声気合いを入れると、まずはほんの少しの凹みに左の指を掛けた。そして一気に身体を引き上げる。 「あらよっ!」 見事身体は宙に浮いた。 次は、更に上の凸部に右指を引っ掛け、再び身体を引き上げる。 「あらよっ!」 そして更に 「あらよっ!」 「あらよっ!」 「あらよっ!」 掛け声と共に、次々と上昇を重ねていくエマ。ロッククライミングをやってるだけの事はある。実に軽やかな身のこなしだ。 それに対し、 「ハッ、ハッ、ハッ、」 地上で両手を大きく広げ、反復横跳を繰り返すポール。冗談でやっているのかと思いきや、顔は超真面目だ。 そんなポールの様子を流し目で見届けるエマ。 あいつはもしかして、おバカ? 張り詰めていた神経の緊張が、途端に緩みを見せる。 すると、 パキッ! なんと指を掛けていた出っ張りが、体重を乗せた途端に見事折れ落ちた。 「あらら......」 エマの身体は、万有引力の法則に乗っ取り、一気に地球へと引き寄せられて行く。
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