第二十六章 サバイバル

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「ノワーッ! エマサンが落ちてキタッ!」 ポールは素早く『カニ走り』で落下地点へ! 間に合うのか?! そして、 パシッ! それは見事なお姫様抱っこが成立した瞬間だった。 「エマサン救出!」 ポールは得意満面。鼻息が荒い。 異常に興奮したその様子が、逆に恐怖を煽る。 ............ ............ 「あのさ......」 ............ ............ 「ハイ」 「助けて貰ったのは嬉しいんだけどさ」 ............ ............ 「ハイ」 「早く下ろしてくれないかな......」 「アア......忘れてマシタ」 落下距離凡そ10メートル。 命を落とす程では無かったにせよ、ポールの動きが無ければ腰を強打くらいはしていただろう。 ポールの反復横跳も、まんざら無駄では無かったと言う結果だ。 いずれにせよ、気を抜けば命取りになる...... その事が証明されたような一幕だった。 ポールのお姫様抱っこから漸く開放されたエマの顔は、再び引き締まりを見せた。 よしっ、再チャレンジだ!
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