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すると、
「おい、ポール。何か探して来るからちょっと待ってろ」
エマは遥か天空から、そのように叫ぶと、直ぐ様その姿を消した。
探して来るって......一体何を?
ロープでも見付けてくるのか?
仮にそんな長いロープが有ったとして、どうやって自分の身体を引き上げるつもりなんだ?
貧弱に見えても、70キロは有るんだけど......
いくらエマさんでも、自分の身体を30メートルも引き上げるのは無理だろう......
まさかロープを伝って自分で登って来いってか?
エマさんごめんなさい。
ビル10階分は無理です......
ポールが、ああでも無い、こうでも無い......
そんな事ばかりを考えていると......
突如、
バシャーン!
地底湖の水面に、激しい水しぶきが立ち上がった。
「なっ、なんダ? サメでも居るノカ?!」
一瞬何が起こったのかも解らず、慌てふためくポール。
よくよく見れば、何かの太いホースらしきものが、天空の部屋から地底湖までぶら下がり落ちているでは無いか。どうやら消火栓のホースのようだ。
すると、
「おい、ポール! そのホースの先端を腰に巻け!」
「エッ、まさか、エマさんが引き上げてクレルんデスカ?!」
いくら何でもそれは無理だろう。
途中で『やっぱ止めた』とか言って、手を離されるのが関の山だ。
まぁ......落とされたとしても、地底湖に落ちるだけだから、死にはしないだろうけどな......かなり深そうだし。
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