第二十六章 サバイバル

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バシャ、バシャ、バシャ...... エマに言われるがまま、ポールはホースの先端を拾いに地底湖を泳いでいく。 そして...... 「エマサン、準備OKデース。ホースの先端しっかり腰に巻きマシタヨ!」 下から怒鳴り声を上げるボール。 すると...... 「よし、それじゃ発射するぞ。はい、3、2、1......」 発射??? エマさんは一体、何を発射すると言うのだ? 何の説明も無ければ、リハーサルも無い。 ポールは当然の如く、何が始まるのかを全く理解出来なかった。 訳も解らぬまま、やがて本番は開始された。 「はい、発射!」 再びエマの声が掛かる。 だから何が発射なんでしょうか? まさか自分だったりして。 いくら何でもそれは無いだろう...... すると、 腰に巻いていたホースが、突然身体を強く締め付けた。 えっ、嫌な予感が...... そして次の瞬間、強烈なGがポールの全身に襲い掛かり、なんとポールの身体は、一気に上昇を始めたではないか! それはまるでロケットに乗っているかのようだった。 「エッ、ナニ? やっぱ自分か?! ヒエー!!!」 訳も解らぬまま、天空の部屋へと引き寄せられていくポールの身体。 途中、頭すれすれで、ホースが巻かれた大きな金庫が目の前を落ちて行く。 発射された(厳密に言うと、落とされた)のは、重さ100キロを超える金庫だった。 「な、なんと! 頭良すぎデス、エマサン! デモ......ちょっと乱暴過ぎやシマセン? ヒエー!」
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