第二十六章 サバイバル

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「おい、お前ちょっと下覗いてみろ」 一番後ろから、再びリーダーが指示を下す。 「へいへい......」 何か嫌な予感が...... でもリーダーからの指示だから、 仕方ねえな...... 兵士は穴のすぐ手前で膝を付く。 そして恐る恐る、穴の下に顔を出してみた。 すると、 「こんにちわ。今日も冷えますね」 床の裏側にスパイダーマンの如くへばり付いた美しき女性が、にこやかに話掛けて来たでは無いか。 「ああ、こんにちわ。確かに冷えますね」 つられて、返事を返す兵士。 「おい、お前誰と話してんだ?」 「なんか......綺麗な女性が、『こんにちわ』って......」 「なんだって?!」 他の4人の兵士も何事かと、慌てて穴の側へ集まって行く。 すると、突然穴の下からすくっと手が伸びて来たかと思えば、次の瞬間には先頭の兵士が、穴から地底湖へと落下していった。 「ひえー!」 バシャーン。 そして続けざまに、 バシャーン! バシャーン! バシャーン! 柱の後ろに隠れていた誰かが、立て続けに背後から3人の兵士を蹴り落としたようだ。 気付けば、床の裏に張り付いていた美しき女性も目の前で仁王立ちしている。それは余りにも一瞬の出来事だった。 「お前達は一体何なんだ?!」 一人管理室に取り残されたリーダーが、涙声で叫んだ。
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