第二十六章 サバイバル

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この『大要塞』の中には、恐らく何百もの兵が屯している事であろう。 その兵士全てが一気に集結して攻め込まれたら、いくら少数精鋭と言ってもちと分が悪い。 ここはやはり、二手に別れて兵を分散させるのが得策だ。 エマは閉じていた目を開けた。そしてゆっくりと口を開く。 「桃救出は圭一と美緒に任せ、我々はこのまま『大要塞』の中を進み、この建物全てを破壊尽くす。その行程の中で、必ず二人とも落ち合えるだろう」 そう語ったエマの目は、爛々と輝いていた。 「エマサン、了解デス。壊滅させてやりマショウ!」 そう興奮気味に語ったボールは、いつの間にベッドのシーツでワンショルダー姿に変化していた。 「お前はジュリアス・シーザーか?」 「ボールデス」 「そっか」 「ハイ」 ............ ............ 時刻は、間も無く正午を回ろうとしていた。 その頃、圭一達はと言うと...... 肉食植物の包囲網を突破し、悠々と『マンタ洞窟』の中を、北へ北へと猛進している最中だった。
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