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「お前がその丘を一歩越えた瞬間に、お前の身体は屍と化すだろう」
それは低く、太く、そして殺気みなぎる大地の声だった。
圭一の身体は、まるで電撃が走ったかのように、急停止を見せた。
「なんだと......」
「ほらっ、早く戻って来いって。ここに座れ。ちゃんと説明してやるから」
「......」
圭一は無言で美緒の顔を見詰めた。
それに対し、
美緒は小さく首を縦に振る。
取り敢えずは話を聞きましょう......
そんな合図であるに違いない。
「解った......」
圭一と美緒は大地に言われるがまま、ビニールシートの上に腰を下ろす。
丘の向こう側から見れば、この場所は完全な死角となる場所だ。それもきっと大地の計算なのだろう。
「それで、どう言う事なんだ?」
実に冷淡な口調だ。
お前を信用した訳では無い......
そんな意の現れなのだろう。
「この丘の向こう側......やけに明るいと思わんか?」
言われて見れば確かに明るい。
『大要塞』の中から照らし出される灯りが、周囲の洞窟内を煌々と照らし出している。
圭一と美緒は互いに顔を見合わせた。
そして美緒が口を開く。
「今まで歩いて来た洞窟内は、とにかく薄暗かった。でもこの丘の向こうは確かに明るいわね。それとこれとはどんな関係が有るのかしら?」
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