第二十六章 サバイバル

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「『大要塞』の明かりを消す方法が一つだけあるぞ」 大地の目がピカリと光る。 上げたり、下げたり...... それはまるで、美緒と圭一の反応を楽しんでいるかのようだった。 認めたくは無いが、現時点においてこのパーティーの主導者は、完全に大地が勝ち取っていた。 美緒も圭一も決して凡人ではない。 しかしこの大地たる者...... 二人より更に一枚上手である事を認識せざるを得なかった。 この男...... やはり只者では無かった。 「そっ、そんな方法が有るのか?!」 圭一の声は情けない程に裏返っている。興奮を隠し切れないのだろう。 「教えて欲しいか?」 「あっ、当たり前だ!」 「だったらお前らも食え」 大地は自らが食べ続けているカプセル状のサプリメントを、二人に差し出した。 「......」 「......」 互いに顔を見合わせたまま、無言の二人。 どうする? どうしましょうか? そんな会話を目で送り合っているのだろう。 「おいおい、俺だってこの袋から取り出してさっきから食ってんだろう。 別に一個一個、選んで取り出したりしてないぞ。 これから行うミッションは、かなりのエネルギーを消耗する。 娘を時間内に救出したいなら、さっさと飲め」 「......解った」 「解ったわ」
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