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「......はい。解りました......大地様」
圭一は屈辱の表情を浮かべ、その身体は怒りにブルブルと震えていた。
圭一さん......よく我慢したわね。
もうちょっとの辛抱だから。
美緒の圭一を労るような目は、きっとそんな事を語っていたのだろう。負けん気の強い圭一にしてみれば、屈辱的な一幕だったと言えよう。
「まあ、解ればいいんだよ。君達もバカじゃ無いようだな。よし、それじゃあここを抜ける方法を説明するぞ。ちょっと二人とも俺に着いて来い。静かにな」
そのように語ると、大地はゆっくりと丘を登り始めた。
「身を屈めろ。見付かったら終わりだ。よし、早く来い」
美緒と圭一の二人は大地に習い、身を屈めてそそくさと丘を登って行った。
「目だけを出して丘の向こう側を見てみろ。よし......よく見るんだぞ。
まずは１０時方向。ここから約２００メートル先だ。洞窟の壁に、車が一台通れる程度の穴が開いてるだろ。あの穴が奴等の住みかだ。
穴から奴等はいつも外を監視している。食せるものが現れれば、５人が一気に中から飛び出して、襲い掛かって来るぞ。
奴等の走るスピードは約時速６０キロ。ここから無策に飛び出した所で、すぐに捕まる事は明らかだ。
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