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なっ、なんと!
こいつはそんな事まで調べ上げていたのか......
この男の実力を決して認めたくは無いが、ここまでくると、もはや認めざるを得なかった。
「でも......そう上手くいくのかしら? まずここから底無し沼までは100メートル。
連中はあの穴からいつも監視してるんでしょう。すぐに見付かって時速60キロで追い掛けられたら、底無し沼まで辿り着けないんじゃ無い?
それと運よく辿り着けたとして、すぐに地下室の位置まで身体を沈められるの? すぐに沈まないと息が持たないでしょう。
更に配電盤室に入れたとして、どうやってまた地上まで上がって来るの?
もっと言うと、これだけの設備な訳だから、配電盤を破壊したって、自家発電機にすぐに切り替わっちゃうんじゃ無いかしら?」
美緒は一瞬にして、全ての問題点を羅列した。美緒の頭の回転の早さも、決して大地に劣るものでは無かった。
「君は本当にファンタスティックだ! 私が今から説明しようとした事を全てQ&Aに置き換えてくれた。お陰で説明がし易くなったぞ。本当に私の秘書にならないか?」
冗談かと思いきや、本気で言ってるようだ。
「娘を連れてこの『大要塞』から抜け出せたら、考えてあげてもいいわよ」
何言ってんだ美緒さん?
冗談だろう......
本気かどうかは、美緒で無ければ解らない。
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