第二十六章 サバイバル

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「フギャー!」 「ガオーッ!」 見ればその距離はもはや10mを切っていた。 ダメだ...... 柱にローブを縛ってる時間なんて無いぞ。 まいったな...... 5m、4m、3m、2m、1m...... そして、先頭を走る人間ウェポンの鋭い爪が、圭一の身体をズタズタに切り刻もうとした正にその瞬間だった。 「てやーっ!」 圭一は岩を抱えたまま、遂に底無し沼へ決死のダイブを敢行した。 そして、 バシャッ! 見事、飛び込み成功だ。 やがて圭一の身体は、底無し沼の底へと飲み込まれていった。 ブクブクブク...... 無数の泡が沼の表面に出没するが、圭一が再び浮かび上がって来る事は無かった。 「ガガガガガッ!」 「ゲゲゲゲゲッ!」 頭をかきむしり、獲物捕獲失敗を悔しがる人間ウェポン達。もはやサバンナを生きる肉食動物となんら変わりは無い。 その姿は『野人』を超えて、もはや『野獣』の域にに達していた。 ここまでの動きを観察する限り、彼らの動きは決して単独行動では無かった。 先頭の3体は最短距離で一直線に圭一へと迫り、残りの2体は左右に転回し、圭一の退路を絶つルートを取っていた。
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