第二十六章 サバイバル

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 ※  ※  ※ バシャーン! ウォー、沈む、沈む! 底無し沼にダイブを敢行した圭一。その身体は面白いように下降を続けた。 そして、 ゴツンッ。 痛たたた...... 大要塞の壁に頭が激突。 目など開けてられる訳も無く、突起物などが出ていても、察知のしようが無い。 地下1階だと、ちょうどここら辺か? 視界ゼロの世界...... 圭一は手探りで壁に手を触れてみる。 ちょっと押してみると、 ベコッ ベコッ 簡単に凹凸が出来る。 実に柔な壁だ。 大地の千里眼通りと言えよう。 「よしっ!」 圭一は泥水の中で一声気合いを入れると、未だ左手に持たれた斧を振り上げた。 そして、 ガツンッ! ガツンッ! ガツンッ! 連打を喰らわす。 なおも、 ガツンッ! ガツンッ! ガツンッ! 手応え十分だ。 気付けば、脆くなった鉄の壁に頭一つ分の穴が見事に開いている。濁流の如く、穴から地下室へと泥が流入していった。 そろそろ息が続かなくなってきたぞ...... 一気に開けちまおう! 圭一は穴の開いた壁に手を掛け、力ずくで引っ張り出す。 するとその拍子に、脆くなったビスが弾け飛び、ボードの1枚が剥がれて漸く地下室への入口が出来上がった。
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