第二十七章 最強兵士

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 ※  ※  ※ 「息を潜めろ。奴等の聴覚と嗅覚は生身の人間の10倍以上だ」 大地は丘の手前。岩影で静かに呟く。 「だったら『大要塞』の照明が落ちても、ここを抜けれ無いんじゃないの?」 美緒の顔は不満に満ちている。 「抜き足、差し足、忍び足の要領だ。照明が落ちたら、とにかく奴等の動きを見ながら摺り足で進む。それ以外に道は無い」 「丘の向こうの平地は300mも有るのよ。10分で通り抜けられるのかしら?」 「それはやってみなけりゃ解らん。赤外線スコープはちゃんと掛けてるな。おっと......近付いて来たぞ。口を閉じろ」 「......」 「......」 ガサッ、ガサッ、ガサッ ガサッ、ガサッ、ガサッ 水を打ったような静けさの中、人間ウェポンの足音がすぐ近くを通過していく。 暗がりとは言え、まだ『大要塞』の灯りは煌々と照らし出されている。 顔の識別まではつかぬにせよ、そこに人間が居る事くらいは気付くであろう。 圭一が底無し沼に飛び込んでから、早3分が経過。未だ『大要塞』の照明が落ちる気配は無い。 まさか圭一さんの身に?! 一抹の不安に駆られる美緒だった。
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