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タッ、タッ、タッ
タッ、タッ、タッ
その音を聞き付けた2体のウェポンが、素早く先回りし、丘の頂上で美緒を待ち受ける。
はっ、早い!
美緒はすかさず、銃口を2体に向けた。
そして、
バンッ、バンッ!
5mの至近距離からの発砲。しかも敵はこちらの動きが全く見えていない。
にも関わらず、この2体は銃弾を見事にかわし、更には音の出所から、美緒の立ち位置を看破した。
タッ、タッ、タッ!
タッ、タッ、タッ!
そして、
バサッ!
1体の振り下ろした鋭い爪が、寸分の狂いも無く、美緒の短銃を吹き飛ばす。
あっ!
バランスを崩した美緒の身体は、不運にも再び丘の下へと転げ落ちて行く。
再び、スタート地点へと逆戻りだ。
7:15
美緒の脳内ストップウォッチは、そんな時の経過を示していた。
既に3分近くが経過し、未だ1mすら進めていない......
一体、どうやってこの丘を越えればいいんだ?
この丘を越えたところで、安全地帯までは300mもの距離がある。
これはどう考えたって厳しいんじゃ無いか?
しかも......
バンッ!
バンッ!
バンッ!
うっ!
銃を奪われていた。
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