第二十七章 最強兵士

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全く...... 下手打ちやがって。 6:00 4分が経過し、『大要塞』の灯りが灯されるまでの時間は残り6分。 大地は何の障害も無く、300mの平地を走り続けて行く。銃弾を受け、もはや自力で動く事すら出来なくなった美緒を置き去りにして..... 美緒を取り囲んだ4体のウェポン。彼らはその動きを止めた。 5:00 あと5分待てば、『大要塞』の灯りが灯される事を彼らは知っている。 また、銃弾を脇腹に受け、身動きが取れない獲物の事も知っている。 4:00 「......」 もはやどうする事も出来ない。 3:00 「......」 美緒の脇腹からは大量の血が流れ落ち続けている。 既に意識は朦朧としていた。彼らが手を下さなくとも、もはや美緒の命は風前の灯火と化していた。 2:00 「......」 そして美緒は意識を失った。 「「「「グエッ、グエッ、グエッ!」」」」 ウェポン達の興奮はいよいよ絶頂へと達する。真っ赤に染まった8つの目は激しく燃え上がり、身体はワナワナと震えている。 1:00 ザッ、ザッ、ザッ ザッ、ザッ、ザッ 4体のウェポンは満を持して美緒の元へと近付いていった。 5m、4m、3m、2m...... そして、 0:00 バチンッ。 無情にも『大要塞』の灯りは、定刻通り完全なる復旧を成し遂げた。
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