第二十七章 最強兵士

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「「ギャ、ギャ、ギャ!」」 「「グエッ、グエッ、グエッ!」」 定刻通りに眩いばかりの光を発し始めた『大要塞』 それを皮切りに、 8本の腕から繰り出された無数の爪は、一気に美緒の身体へと襲い掛かる! すると、 ピタッ。 ............ ............ ............ なぜなのか? それは解らない。 4体のウェポンは皆、ポカンと口を開けたまま突然フリーズ。まるでマネキンのようにも見える。 「「「「......」」」」 そろって無言だ。 すると、 ザッ、ザッ、ザッ 背後から足音が。 リーダーウェポンの到着である。 面倒な事は部下に任せ、美味しいとこ取り。彼らが人間であるが故に、ここでも人間社会が存在していると言えよう。 リーダーウェポンは4人の間にのっそりと割って入ると、意識を失いぐったりとした美緒の顔を覗き込む。 すると、 「サ、サ、サ、サ、サクラダ......!」 途端に暴れ出す。 つられて他の4体も、 「「「「サクラダ......!」」」」 なぜか一緒に暴れ出す。 全く以て意味不明ではあるが、どうやら桜田美緒の事を知っているようだ。 「ケガー......! ガガガガガ!」 リーダーウェポンがそのように叫ぶと、他の4体は美緒の身体を抱き起こし、なんと隠れ家である洞穴へと運び始めたでは無いか! ガサッ、ガサッ、ガサッ...... 5体10脚の足音が、光輝く『マンタ洞窟』内に響き渡る。 その運び方は、決してガサツでは無い。まるでどかのお姫さまを運んでいるかのようだった。 やがて5体ブラス美緒の姿は、静かに洞穴内へと消えていく。 それまで騒がしかった『マンタ洞窟』に再び静寂が訪れた。
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