第二十七章 最強兵士

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「よし、行くぞ!」 「「了解!」」 エマの掛け声を合図に、さっそうと扉の外へと3人は飛び出していく。 バンッ、バンッ、バンッ! 爆煙が充満し、視界ゼロと化した通路を撃ちまくりながら突き進む3人だった。 銃撃戦を想定し飛び出してみたはいいものの、いざ出てみると、動く物は皆無と言っても過言では無かった。 足元に数え切れない程の赤めいた物体が散乱しているだけだ。 手、足、首...... その物体が、吹き飛ばされた兵士の身体のパーツであった事は言うまでも無い。 ジグゾーパズルのように組み合わせれば、凡そ10体程度の人間模型が出来上がるに違いない。 そんなパーツを蹴り飛ばしながら、遮二無二前進を続ける武者達。邪魔をする者は居なかった。 「この『大要塞』には、300人前後の兵隊が屯してます。そいつらを相手にするには、ちと武器弾薬が乏しいですな」 全力疾走を続けながら、実にクールな表情で現状を語る圭一。 まるで他人事...... そんな口調で語る時の圭一は、必ず何か秘策を持っている。 「で、そのこころは?」 それを知るエマの表情は、薄ら笑みすら浮かべていた。 「よくぞ聞いてくれました。突き当たりを左に曲がれば、50m先に奴等の武器弾薬庫が有ります。 ここは地下じゃないですか。さっき牢屋に連れてかれた時に自分はそれをこの目で見ています。間違い有りません」
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